学習のテーマは数学の工学への応用です。近年、電子機器のアナログからデジタルへの移行に伴い、セキュリティーの問題やデジタルの誤り訂正の理論に様々な数学が用いられています。
応用代数学研究室では、システム工学の一環として、主に誤り訂正符号の理論を中心的な考察の対象とし、数論や代数幾何学等の数学がこの分野でどのように用いられているかを調べ、新しい知見と応用を探ります。
数学は、フォン・ノイマンによるコンピュータの原理の発見のように、時として社会を根底から変えるような力をもつことがあります。確率微分方程式を始めとする確率論は金融工学に、代数学・数論・代数幾何は符号・暗号理論に、ラドン変換はCTスキャンなどの医療機器に応用され、組み合わせ剛性理論を始めとするグラフ理論は構造力学、機械工学、CAD(コンピュータ支援設計)などに応用され、実社会で役立っています。
応用代数学研究室では、数学の学習を基礎として、符号理論・暗号理論を中心としたシステム工学への数学の応用を学び、代数学から工学へのイノベーションを目指して研究を行います。実際、電子機器がアナログだった時代は過ぎ去り、現在ではデジタルが全盛となりました。コンピュータを用いて様々な電子機器が結びつけられ、大変便利な時代になりましたが、電子機器が正常に作動するためには、デジタルのエラーを修正する誤り訂正符号の理論が欠かせません。この誤り訂正理論には、先にあげた代数学を中心とする数学が重要な役割を果たしています。CDから流れてくるきれいなメロディーが聞け、便利なQRコードを用いることができるのもこの理論のおかげなのです。