建築構造分野 建築構造解析研究室

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教授 吉田 長行

教授 吉田 長行

Nagayuki YOSHIDA

研究室の学び

ローマ時代の建築書には、アルキメデスの浮力の発見など物理の話が多数でてきます。現代の名著「力学」には、「ニュートン力学の第3法則:作用・反作用」が建築設計の基礎であると書かれています。また、時に建物をなぎ倒してしまう地震力は、「ダランベールの慣性力」であると理解されています。このような物理を基礎に数学やコンピュータを存分に駆使し、災害に強く安全で可能性に満ちた建築空間を創造する技術を学びましょう。

社会との接点

建築物は私達の日常生活や社会的活動と深く関わっています。人類は、生活圏内で手に入れることのできる材料を用いて、雨風を凌ぐための建築空間を作ってきました。遺構を含め今日までのそれらは用いた諸材料の性質と各土地の制約を受けながらも、その可能性を最大限に引き出したものと言えます。そこには素材と環境に対するあまたの経験と理解に基づく人類の創意工夫があります。これを物理学の視点から整理統合し、予測可能な技術として発展させた設計のための経験科学が建築構造学です。

特に、我が国では想定耐用年限内に発生可能な最大規模の地震に対して、建物が安全であることを保障する必要があり、そのために耐震設計が課されています。安全の主目的は人命を守ることにあります。それは建物の崩壊を防ぐことによって、場合によっては付帯する機能をも維持することによって達成されます。ところで、建築は美しくなければなりませんが、その評価の多くは主観によります。一方、安全性など建物の性能は客観的な指標によって評価されます。これを満足する良質な建築を生み出すこと、そしてそのため、耐震設計に関する基本的な知識を蓄えておくことは建築を専門とする者に負託された社会的責任です。

主な研究テーマ

  • 建築構造設計において未解決な問題または未開拓の分野に関して、数値解析の立場から理論的に取り組んでいます。
  • 敷地地盤の硬軟は建物の地震応答にどう影響するか
  • 建物の日常微振動から地震時の耐震性能は推定可能か
  • 大地震を受けた建物はどのように耐え、また崩壊するか
  • 地震動を受けた地盤はどのように崩れ、液状化するのか
  • 地震波は建物にどのように入射し反射し逸散するのか
© Hosei University
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