人文科学分野 言語学・アイルランド語研究室

研究キーワード:主研究

研究に関連するSDGsの目標

教授 梨本 邦直

教授 梨本 邦直

Kuninao NASHIMOTO

研究室の学び

言語学の観点から日本語、英語、アイルランド語を中心に分析しています。音と意味の関係、文と意味の関係を言語データから帰納的に導くことが目標です。言語学の領域としては中核となる4分野(音声学、音韻論、形態論、統語論)を扱います。また、アイルランド語の研究には特に力を入れていて、その歴史的統語論から17 世紀以降の現代アイルランド語の分析、さらにはその詩の伝統の変容を歴史的背景から考察しています。

社会との接点

言語学と○○語文法の違いは、前者が言語をどの言語でも分析できるような客観的な方法を用いて言語コミュニケーションの普遍性を探るのに対し、後者は研究対象言語を使えるようになるための効率的な規則を求めます。両者は相反するものではありません。言語学で学ぶ普遍性が個別言語の理解を深めるのに相乗効果があります。したがって外国語学習者と外国語教師のどちらにも有益です。特に日本語を外国語として見るとどのように見えるのかを理解できます。この観点は、国際人として社会で活躍するには誰もが必要な見方です。それは音やアクセントの解釈の仕方の違いから文の組み立てに伴う考え方の違いまで広くかかわってきます。

アイルランド語は5万人程度しか話し手がいない少数民族の言語です。その特異性が日本語を外国語として見るきっかけを与えてくれるだけでなく、マイノリティという社会的視点も教えてくれます。国家と言語の関係、地方と中央の行政問題、国際語(英語)と個別言語の関係など、言語自体の問題を大きく超える視点も養成されます。このように言語学研究は国際的な場面で活躍する教養として意義深いものでもあります。

主な研究テーマ

  • アクセントとリズムの日英語比較
  • 破裂子音における声立て時間の研究
  • 文の視点「態(ヴォイス)」の機能
  • 繋辞文と存在文の関係
  • ケルト文化圏におけるアイルランド文学
  • 現代アイルランド語順VSO とその特性
  • 口蓋化子音の現れ方と解釈
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